経営発達支援計画
事業内容【Ⅰ】経営発達支援事業の内容
1.地域の経済動向調査に関すること
これまで行っていなかった経済動向調査を様々な手段を用いて定期的に実施する。実施する観点としては、全体的な視点として「滋賀県全域」の経済時流を他の機関が提供するデータで分析し、局所的な視点として「八日市」独自の景況調査により当地域の経済動向を把握する。この「マクロ」と「ミクロ」の双方の観点をバランスよく解析することで、全体のトレンドを掴んだ「先読みした情報」や、逆に、いまだトレンドとはなっていない八日市独自発信の「先進的な提案」を小規模事業者に対して行うことが出来る。加えて、これまで職員個々で把握していた情報組織で共有し、データベース化することで、会議所全体のナリッジやノウハウ、ハウツーの蓄積を実現し、高位均質な情報提供を行うなど、今後の事業計画作成や販路開拓に繋げる礎とする。
2.経営状況の分析に関すること
まず、自社の経営課題の分析結果と現状の乖離を把握してもらうため、これまで実施していなかった、経営分析に関するセミナーを開催する。次に、巡回訪問や窓口相談時に個社の経営分析を行い、その分析結果は随時記録するなど個社別の経営の流れが分析できる仕組みを導入する。また職員の分析能力標準化のために、経営分析ソフトを導入し、その結果をもって職員同士での意見交換や協議を随時行うなど、「知識の共有」と「分析能力の底上げ」を図る。
3.事業計画策定支援に関すること
巡回指導・窓口相談において、今後の事業展開を積極的に考える小規模事業者の掘り起しを行い、需要動向や経営分析をもとに5年~10年という長期計画の支援を実行する。そのために、共通のフォーマットを作成し、経営分析結果を基に実現可能性の高い事業計画策定を目指す。また、経営分析から事業計画策定への実施割合を7割程度から5年後に9割の高水準へ段階的に上げていくために、職員内で定期的な支援先の情報共有や知識の標準化を行い、小規模事業者へ事業計画策定の必要性を啓発していく。
4.事業計画策定後の実施支援に関すること
経営指導員等が事業計画を策定した小規模事業者に対して巡回訪問し、当初計画した事業目標の進捗状況を確認する。訪問時に事業計画の変更や新たな課題・問題点がないかを確認し、必要があれば事業計画の修正を実施し、個社の状況に合わせた目標達成へと導く。また、経営指導員同士がそれぞれの強みを活かして連携をし、会議所全体でフォローする体制を構築する。
5.需要動向調査に関すること
経営資源に限りがある小規模事業者こそ、市場ニーズに合ったものを無駄なく効率よく開発・販売する必要がある。そのため、最新の需要動向を把握・活用することが販売戦略の成功へと導く勘所となる。
まず、最新の需要動向を当所が積極的に収集・整理・分析を行い、小規模事業者への需要動向データとして提供を行う。これにより経験と勘に頼った小規模事業者へ「マーケットイン」の考え方を浸透させ、今後の販売戦略の基礎データとして活用できるようにする。
6.新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること
小規模事業者に不足している経営資源を補うため、当所が主体となり展示会出展、チャレンジショップ、IT活用セミナーなどの需要開拓の支援を各関係機関と連携をして行う。また、新たな需要開拓の取り組みを行うことで、事業計画の課題の見直しや改善にもつなげることができる。
事業内容【Ⅱ】地域経済の活性化に資する取り組み
関係機関とより一層の相互連携を行い、中心市街地の活性化、当市の観光資源を活用した地域経済活性化の方向性、地域のブランド化、及び街のにぎわい創出等を検討していく必要がある。また、創業や事業承継問題にも同時に取り組むなど、魅力ある街の拠点形成を行い、小規模事業者にとっても魅力ある地域を形成する。
事業内容【Ⅲ】経営発達支援の円滑な実施に向けた支援力向上のための取り組み
今後は、「小規模事業者支援」という目的を持って、他の支援機関と連携をとり、経済動向、需要動向、支援事例等の情報共有を行い、経営指導の支援力向上と小規模事業者の販路拡大のノウハウの習得に繋げる。